病の原因:五臓
病の本当の原因とは?
大成堂中医針灸院代表の藤田勇です。
コラム:本治(根本治療)と標治(対症療法)で、東洋医学の本質的な体の診方を紹介しましたが、今回は具体的に東洋医学がどのように体そのものの状態を把握するのかを紹介していきます。
五臓六腑にしみわたる
五臓という言葉はご存知かと思います。
五臓六腑とか言ったりしますね。
この五臓:肝・心・脾・肺・腎のうち、どれが弱くなっているかによって、表面にさまざまな症状が現れると考えます。
肝が弱くなっているとめまい、視力低下や目のかすみなどの眼の病、筋肉の痙攣が起こりやすかったり、ストレス関連のイライラになったり、子宮内膜症や生理痛などにもなります。
心が弱くなってくると、うつ、パニック障害などメンタル系の問題から不眠症、もちろん動悸や循環器の疾患、あとは舌炎など舌の病などにもなります。
脾が弱くなってくると、過敏性腸症候群や機能性ディスペプシアなどの胃腸の問題、糖尿病など糖代謝の問題、むくみや肥満、婦人科ではおりものが多いなどといった症状がでます。
肺が弱くなってくると、喘息や気管支炎などの呼吸器の問題はもちろん、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹など皮膚の問題、花粉症や鼻炎、扁桃腺炎、上咽頭炎、あと便秘などにもなります。
腎が弱くなってくると、泌尿器の問題から、前立腺肥大、メニエールや難聴、耳鳴りなど耳の問題、足腰の弱り、あとは脳の問題としてボケなどにもなります。
五臓のつながり
また、この五臓の問題は単独で存在するのではなく、他の臓との関係からさまざまな形に発展します。
例えば、心の問題から腎の問題に広がったり、肝の問題から脾の問題に広がったりします。
具体例でいうと、うつといったメンタル系の心の問題をもつ老人が腎の問題である痴呆になっていったり、ストレスによる肝の問題から脾の問題である胃腸の調子が悪くなってしまったりします。
この五臓を整えていくことが本治(ほんち)になるわけです。
うつでも不眠でも、動悸でも、心に問題を抱えているなら心を整えるツボを使っていきますし、
目の問題でも、生理の問題でも肝を整えるツボを使っていきます。
施術を続けていく中で、例えばめまいだとして、めまいがどう変わってきているか?ということは重視せず、五臓(例えば肝)がどう整ってきているか?を重視します。
そのため、「前回施術をしてめまいは楽になりました?」的なことはほとんど聞きません。
それよりも検査で前回よりも肝が整ってきていることが明らかになれば、めまいが変化していてもしていなくても、施術は治療方針は合っていると判断します。
ここを理解できていない方は、症状のことを細々と訴えてきますが、本治(ほんち)の話をして理解をしてもらっています。
この辺りは本治(ほんち)と標治(ひょうち)の記事も合わせて読んでもらうと、より理解が進みますし、頭で理解できると体も良い方向に導かれるので治りやすくなります。
大成堂の施術を受けようと思われる方は、この記事とコラム:本治(ほんち)と標治(ひょうち)の記事まずはしっかりと読んでみてください。
それだけでも場合によっては今あなたが抱えている苦痛が軽減しますので。